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Movie Review


悪魔と天使
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『ジェイコブス・ラダー』の未公開シーン
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May 31/ 2001

◇現在、発売されている『ジェイコブス・ラダー』DVDには、重要な未公開シーンが含まれています。
監督曰く、「シーンとしては完璧で、気に入っているものであるが、ジェイコブの苦しみの旅は
あまりにも過酷で、これはやりすぎた。観客は引いてしまう。」として劇場公開版はカットしたそうです。


 
映画の上映時間を考えると、カットしなければいけない事もあるのだろう。いかに作品のクオリティーを損なわないで編集するかは、数々のエピソードが存在していると思う。でも、「観客が引かないように」というのは何となく挑戦的に思えてしまったのは、私の思い過ごし?
 
まず、第一のシーンは、地獄のような病院から整体師によって救い出され、自宅に戻ってから、「ラダー」の開発者に会いに行ったシーンである。
ジェイコブはこの男に「ラダー」の解毒剤を飲まされ、彼の部屋で横になっている。やがて、眠気が襲うがその瞬間、再び恐怖の悪夢が襲って来る。恐れるジェイコブに男は叫ぶ。

”よく聞け。自分の空想なんだ。自分の恐怖だ。現実じゃない!戦うな!”

ジェイコブは天井の裂け目から、人間ではない者の姿を目の当たりにして意識を失う。しばらくして目覚めたジェイコブに男は、こう言う。

”お帰り。 悪魔は消えたよ。永遠に。 試す価値はあっただろう?”

しかし、この後、ジェイコブは、未だ悪魔が自分のそばにいることを知ってしまう。


そして第二のシーンは、ジェイコブが以前、家族と暮らした家に帰ったシーンだ。そこには、妻と別れた後、同棲している女が立っていた。
彼女はこう言う。

”もう、お終いよ”

彼女は徐々に本当の姿を現す。そしてジェイコブが見たものは…。邪悪な存在だと認識した彼女の本当の顔は………
(未見の方で、自分の目で見たいと思われたらこれ以上スクロールしないで、バックしてください。)

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それはジェコブの顔だった。自分と対面したのだ。
続いて明かされるのは地下鉄の電車の中、黒塗りの車の中にいた、仮面をつけた何者かの、その顔だ。その顔も…ジェコブだった。恐ろしい悪魔は、ジェイコブの中にある、悪魔性の表れだったという。

映画としてはこれでは本当に、辛いものがあるかもしれない。逃げ出す道をラストに示していながらも、このままでは、違う結末も充分想像できてすっきりすることはなさそうである。完成したものは、不気味な恐怖だけで終わらせず、見たものの心に、何かを残してくれる作品になったのではないかと思われる。
果たして悪魔は存在するのか?天使は存在するのか?私なりの結論はすでに出ているが、この映画をご覧になった方はどう思われるだろう。
悪魔はいつでも見渡して見つめているが、天使もまたそれを見つめている。
どちらも人間に直接手出しはしない。しかし人間の心にある小さな入り口から入り込むチャンスを見定めている。
生あるものに必ず訪れる死の瞬間、それぞれ自分の執着するものの幻想を見る時、そこにいて、圧倒的な力を発するのはどちらであろうか…。

目に見える恐怖の裏にある事実こそ、恐ろしいものなのだ。血が、生首が、肉体が、異形が、本当に恐るべきものであろうか?
私はそう思わないのに、実際に目の当たりにすると正気でいられる自信はどこにもない。まんまと囚われるのかもしれない。
その時、現れるケルビムは誰だろう…なんて考えたりしている…。

END.

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