Movie Review ll
秋の童話 オータム・イン・マイ・ハート
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ハン・テソクの愛
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ハン・テソクの愛
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04 /11/ 2003
◇このドラマのロケ地を巡るツアーが好評だそうです。訪れるならやっぱり秋。断然秋がいい。
それから、ハン・テソクが住んでいたホテルの部屋がそのままの形で今も保存されて、その部屋で宿泊プランもあるとの事。人気を物語りますね。
(テソクの父はそのホテルのオーナーという設定。)
そしてテソクはユン・ジュンソと、ウンソを取り合う役。耐え忍ぶジュンソとは対照的な、「欲しいものは、必ず手に入れる」「やられたら倍返し」的なストレートなお方。でも、テソクは本当にいいヤツ。唯一何を考えているのか探らなくていいのがテソク。俳優としても、一番日本で馴染みがあるのもテソク役のウォンビンかもしれない。なんだか木村一八と木村拓哉を足して2で割ったような感じがするし…。
ナイス・ガイ、テソクの愛について
ハン・テソクの愛
ジュンソとはアメリカの美大でともに学んだ親友。ユミとも顔見知りで、ウンソと入れ替わりで渡米したシネの元彼。
何にも知らないテソクは、ウンソに惹かれていくのです。何不自由ないボンボンのようですがテソクの母はテソクの父の愛人。
プレイボーイの長期宿泊客としてのテソクの噂が、ウンソも勤務するこのホテルで立ってしまいます。ゴルファーとしても上手くいかず問題行動が目立ち、結局は引退。でもゆくゆくはこのホテルを任されることに決まっているのですが、テソクは満たされない気持ちで一杯。
そんなテソクに、最初は声と声だけですが、媚ず、臆することなくはっきりものを言う、自称「38歳で二人の子持ちの私を甘く見ないで!」の、ウンソが気になって仕方がなくなります。この辺の流れはとてもわかりやすいです。
それからしばらくしてテソクは、ウンソが38歳でも、二人の子持ちでもない事を知り、その上、自分の親友ジュンソの「いとこ」だと知って、偶然を喜び、初めて知った本当の愛に幸せを噛み締めている様子が長い事続くのですが、それがあまりにも可哀相で、見ていてつらくなってしまいました。だってウンソは…、だってジュンソは…。ジュンソが「静」ならテソクは「動」、ジュンソが「青」だとしたらテソクは「赤」。
愛情表現もストレートで、「かわいい、かわいい」の連発。そしてドラマチックな演出も忘れません。輝くグリーン、ゴルフ・コースのホールの中のペンダント、クルマのトランク一杯の色とりどりの花の植木。そんな演出もテソクがやるととっても絵になります。女の子を泣かすプレイボーイ、といっても元彼女のシネの様子、二人でランチしてるところなんかを見ると、そんなには酷いことしてこなかったんじゃないかな〜という感じです。
ウンソはジュンソとテソク、どちらを選ぶのか?もし自分がウンソならどちらを選ぶのか?韓国の若い女性たちは、こういう会話をしたかもしれません。おそらく…。ジュンソは親友のテソクに信頼してウンソを委ねるのか?はたまた…。というわけで、このドラマの最初の山場は、じりじりと、そして華やかに展開されていきます。
そしてやってくる「可愛さあまって憎さ百倍」。
でもこのドラマでは本当の悪人は誰一人いません。みんな本当に真剣なんです。真剣に悩んで苦しんで、とても真摯に愛を貫こうとしてるのです。引き立て役とか、チョッカイ担当なんていう、やらしい設定はこれっぽっちもないです。このドラマの登場人物は多くありません。このドラマは、それぞれの愛が鮮明に浮かび上がってくる感じがします。その中で、テソクが貫いた愛も、傷ついて苦しみながらも100パーセントの純愛。
ジュンソ、テソク、この二人が見せるウンソへの愛を見るのがこのドラマの一つの面白さ。
私個人的には、テソクのその成長ぶり、神に祈る時の真摯な言葉にも惹かれます。遊び慣れてスマートな雰囲気と相反する一途さ。こんな理想的な男も珍しいかもしれませんね。危うさと真面目さ。そして華やかさ。凄く魅力的なナイス・ガイです。
次はユン・ジュンソの婚約者、シン・ユミの愛について、です。
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