Movie Review ll
秋の童話 オータム・イン・マイ・ハート
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04 /13/ 2003
◇前のページでも触れたのですが、このドラマにはトラブルメーカーやチョッカイ担当に終始する、
だけの人物はいません。ユミの役柄はもしかしたら、少々イライラする展開に持ち込むんじゃないかと思っていたのですが違っていました。
反則っぽいこともしてしまいますが、それにもちゃんと感情移入できるだけのものを見せてくれます。特に私は、ジュンソ役のソン・スンホンの虜になってしまったので、ユミの気持ちが、なんだか、ちょっとわかるような気分にさせられてしまいました。ヒロインのウンソより、思い入れて見てしまったように思います。
もう一人のヒロイン、シン・ユミの愛について。
シン・ユミの愛
テソクと同じく、ジュンソとはアメリカの美大で、ユミはジュンソに出会い、そして恋をするのです。遊びなれているテソクとは違い、
少々堅物で女の子とは気安く言葉を交わすこともないジュンソ。そのジュンソの心の中には、別れた妹への思いがあったのでした。
でも、ユミの何気ない言葉にジュンソはそれを偶然ではない奇跡を思い、そろそろ新しい人生を、愛してくれるユミとともに歩き出そうと決意します。
婚約者となったユミにはウンソの事は話せなかったというのは、やはりジュンソには、妹に対する愛情以上のものが確かにあったからなんだろうかと思います。テソクと同じで、ウンソはジュンソのいとこ、事情があって幼い頃は一緒に育った仲であると信じ、テソクとウンソが、結ばれる事に心底エールを送ったりしますが、やはり二人のただならない仲のよさに少し疑問を持ち始めます。
ユミは体もあまり丈夫な方ではないようで、派手な女性でもなく、物静かで大人しい雰囲気。ユミちゃん、かわいいなぁと思ったのが、テソクたち4人とのお食事会の時、ウンソが作ったキムチを食べて、ジュンソにコソコソなにか囁いて、恥ずかしそうにしてるところ。「このキムチ、おいしい。作り方教えて欲しい、だってさ。」とジュンソに代弁してもらうんです。なんかかわいいじゃないですか。直接言ってもいい言葉なんですが、なんかかわいい。ユミの雰囲気がよく伝わってくるシーンだと思います。
4人でお酒を飲んだり、食事したりと、楽しい日々が続きます。そしてある日、ウンソとシネの事情のすべてを知り、テソクとともに、ひどいショックを受けます。愛する家族と離れ離れになったなんて、自分ならとても耐えられないだろうと、ウンソの境遇を思いやり号泣もしてしまいます。ユミちゃんはいい子です。もしジュンソと結婚したら、穏やかで静かな、いい家庭が築けるだろうなと思います。すべてが明らかになると、問題になってくるのは、「ジュンソとウンソは血のつながりはない、普通に結ばれてもおかしくない男と女だ」という事実。この辺の探りあいがちょっとハラハラします。だれもズバリそれを言い出さないのです。ウンソの家の事情で、ジュンソのアトリエで二人きりで暮らしているんです。そこで10年の歳月を埋めるかのような思いで二人は暮らしている…。とても危険。だからユミは控えめだけど着実に、ジュンソとウンソを引き離さなければ、と思い行動します。
ウンソはジュンソとテソク、どちらを選ぶのか?という問題のもう一つの面は、ジュンソはユミとウンソ、どちらを選ぶのか?ということになります。
テソクもユミも、ギリギリまで耐え続けます。不安でどうしようもなくても、信じようと…。
時には問い詰めたりもします。でも決定的になってしまった時、悲しい手段を取ってしまいます。これはちょっと反則的。日本のドラマだと迂闊にできない展開かも。でもそうまでしてもジュンソといたかった?それとも本気でどうなってもいいと思った?その辺りは半々で想像もつかないです。すごく難しい。
私ならそこまでやらないからぁ。でも批判する気はなぜか起きない。ジュンソならそこまでやりたいかも…。外見も中身もジュンソ限定でね!ユミもまた、自分が信じた愛を貫く、愛の人。と、いつの間にかユミに感情移入してるわけです。ポッ。
やっぱりあの、海のシーンがすごく印象的ですね、ユミのあの叫びは、心が痛くなります。それにジュンソの言葉は、ユミにとっては刃のように、辛く厳しいものだったはず。私なら「そんな約束なんていらない!努力なんかするなよ!ほな、さいなら!」って言いたくなりそうだけど、ユミは違う…。心底ジュンソと生きていきたかったんでしょうね。凄く憧れちゃいますね。誤解しないでくださいね、憧れだけで十分なのです。
ユミちゃん、頑張ったね、そして、ほんとにありがとう。
次はいよいよ、ヒロイン、チェ・ウンソの愛について、です。
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