Seeking after truth ll
ゴッドファーザー Part ll
◇THE GODFATHER,PARTll 1974年 アメリカ
監督 フランシス・F・コッポラ
出演 アル・パチーノ ロバート・デ・ニーロ
シリーズ二作目。跡を継いでゴッド・ファーザーとなったマイケルの苦悩と、デ・ニーロ演じる若き日のビトーの映像を織り交ぜて綴る。
もはやマイケルには愛国心に燃えたカレッジ・ボーイの面影はどこにもなく、引き締まっていて少し憂い顔。眼光も鋭い。
ポマードで撫で付けた髪は、イタリア製スーツがよく似合う。ファミリーはますます力をつけ、政財界にまで進出を果たすも、隙あらば陥れようとする者との攻防が続いていた。
ある日、マイケルの自宅で狙撃事件が発生。
身近なものに裏切り者がいることが明らかとなり、しかもそれはあまりにも意外な人物であった。マイケルは苦悩するもますます冷徹さを増していく…。
ご存知の通り、この映画では若きビトーの姿も描かれていて大変魅力的です。
私達は二人のドンの人生を合わせて見ることが出来るのです。二人の人生がオーバーラップします。
それぞれのストーリーがテンポよく交互に映し出されます。
若きビトーの気質は父や兄、母の行動によって想像に難しくないです。例えどんな権力を持っている者に対しても卑屈にならず、立ち向かえる情熱を持っているビトー。
親戚の手によって9才でアメリカに渡ったビトーは、リトル・イタリーにある、「アッバンダント食料品店」に引き取られ、ジェンコはファミリー創成期の一員でもあるジェンコと兄弟同然に育てられます。このビトーは幼い頃の悲劇、そしてこれから始まるファミリーの物語とは無縁のように、心優しく、妻を愛する一人の男でした。
ドン・ファヌッチが現れるまでは…。
この時期のビトーの友人や仲間をよく見ていると、面白いですよ。
一作目、三作目にも登場する人物が続々登場。みんな若い。年を取ってああなったわけね(一作目のような)、という感じで、クレメンザとかテシオとかハイマン・ロスティンとかみんな雰囲気が合っていて、もう一度前作を確かめたくなります。
ビトーは妻を愛し、子供を愛し、仲間を大切に思ってきた人。
それがファミリーのドンとしての立場を支えることになったのです。ビトーの動機は愛ゆえ。そして行動はシシリア流。シシリア人はその行動を賞賛、
尊敬に値する者としてビトーは受け入れられてきたんですね。
対してマイケルはどうでしょう。愛する者も、守るべきものもありました。そしてファミリーを継ぐ動機は父への愛。
しかし、彼の愛する者が殺された理由は「仲間の裏切り」であったことが、いったい、幾度あったことでしょう。悲しみのドン、マイケル…。
妻ケイの苦悩もマイケルにとっては裏切りでしかなかったのかも。誰も信用する事が出来ないマイケルの側にずっといたのは、アル・ネリだけで三作を通していつも彼の側に付いています。
そのマイケルの孤独に私はクラクラ。ああ、側に居てあげたい…。
フランク・ペンタンジェリをどう見るか?この辺りの策略とテクニックは、お見逃しなく。
ビトーとマイケルが見つめたものは同じものであったはずなのに、ここまでマイケルを冷酷にしてしまったものは…。
そして求めても得られなかったものは…。ぎゅんぎゅん胸が締め付けられること請け合いです…。
続く。
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